妊婦健診をドライブスルーで

周産期

こんにちは。

コロナウイルス が猛威を奮っているアメリカですが、テキサス州のある病院で、妊婦健診をドライブスルーで試してみた、という報告がありました。記事は、2020年7月 Obstetrics and Gynecologyに掲載されています(こちら)。

日本でもドライブスルーでPCR検査の検体をとる試みがされていました。

妊婦健診もドライブスルーでやってしまうという、なんともアメリカらしい方法です。

さて、実際にどのような方法かというと。。

今回の舞台となったのは、Department of Obstetrics and Gynecology at the Baylor College of Medicine in Houston です。ちなみにこの病院2019年の分娩数は6500人です。

ドライブスルー予約をした妊婦さんは、10分間隔で到着するようにして、一度にならぶ車の数は3台までとしています。スタッフは、産科医一人、ナース一人、検体とる係のメディカルアシスタント、それから外来のもろもろをする人、です。

患者さんが病院に到着したら、まず電話で問診を受けます。

症状がなくてもどうもあやしい、ということになったら、その場でPCR検査を受け結果がでるまで、自分で隔離してもらうことになります。

入院が必要と思われる人はさらに別の場所につれていかれて、本当に入院が必要かどうかさらに検討します。

電話の問診で大丈夫な人のみ、電子カルテ上で病院に到着という扱いになるみたいです。

入り口から診療ステーションに移動して、サージカルマスクとグローブをしたメディカルアシスタントと産科医が患者さんの血圧、体温、胎児心音ドップラーを行います。

必要があれば、スマホのエコーを使って、胎児心音、羊水量、胎位を確認します。

その後の看護師さんとの相談や、次回外来の予約などは、隣に設けられた場所で行います。

全部終わったら、出口から車のまま出ていく、という流れみたいです。

理事長が注目したのは、このドライブスルー診療の流れの中で、スマホのエコーが使用されている、という記載です。

スマホエコー、理事長たちのNPOも研究したり開発していますが、日本での使用方法も視野に入れています。

日本でも、コロナウイルス 感染が収束しているわけではなさそうです。感染の第2波がくるかもしれません。

その時には、妊婦さんの感染が増える可能性があります。ドライブスルーができるだけの敷地がある病院ならいいですが、開業医で妊婦検診されている人が多い日本の現状では難しいものがあるのでは、と思います。

今回の報告では、病院でのドライブスルーでスマホエコーを使用してますが、評価しているのは、心拍、羊水量、それから胎位の3つのみです。

これら3つだけの評価項目なら、自宅で妊婦さん自身がエコーをお腹にあててもらい、その画像を遠隔で病院にいる医師がチェックすることも可能なのでは、と理事長は考えています。

今回の報告では、それでも対面で診察したい人の不安を和らげるためにドライブスルー妊婦健診は有用だ、と著者たちは言っています。

でも、理事長たちは、自宅にいてもZOOMやLINEのビデオ機能を使って、医師あるいは助産師さんと対面で会話しながら、スマホで撮ったエコー画像をチェックすることで、その不安はかなり減るのではないか、と思っています。

現在、遠隔で画像を送りながら、対面で会話もできるスマホエコー対応アプリを沖縄のレキオパワーテクノロジー社と開発中です(お金がないので、あまり進んでいませんが。。。)。

理事長はいろんな人に会って、この「自宅で妊婦さん自身で超音波」のコンセプトを話しているのですが、いままで賛同してくれた同業者の人は一人もいません。。。。泣

ちょっと話はそれますが、乳がん検診では、遠隔技術で自宅で患者さんが自分で撮ったエコー画像を専門医がチェックする、という装置をソニーが開発しています(こちら)。

これは乳がん用のエコー装置ですけど、考え方は一緒です。

乳がんを自宅で自分でスクリーニングできるなら、妊婦健診も、と思うのは早計でしょうか。。。

きょうはこのへんで。

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