妊娠中の体重増加とあかちゃん

周産期

こんにちは。

今回は、2017年9月のAmerican Journal of Obstetrics and Gynecologyに掲載された論文で、妊娠中の体重増加と出生体重の関連をみたという内容です(こちら

結論から言うと、妊娠初期に体重が増えすぎたあるいは減りすぎた人もそんなに心配いりません。しかし妊娠中期以降に体重が大きく減った人あるいは増えた人は、生まれてくる赤ちゃんが小さくなるあるいは大きくなりすぎるリスクがあります、ということ。

ここでいう、妊娠初期と中期以降をわける境目となる週数は14週としています。

研究対象となったのは、アメリカにある病院に通う2779人の妊婦さん。双子妊娠とか血圧が高いとかリスクのある人は除いて、健康な妊婦さんを対象としています。36週まで平均15回体重計測をしています。対象者を、体重の増え方の違いで、4グループ(低、ちょうどよい、中から高度、高度)に分けています。

どれくらいがちょうどよい体重の増え方か、というと、14週前までは0.04kg/週、それ以降は0.48kg /週、となっています。つまり妊娠中期以降は、1ヶ月で体重が2kg以上増えるとヤバいということになります。結構、きびしいですね。

体重が高度に増えた人は、それぞれ0.52kg /週、0.79kg /週、となっています。つまり、1ヶ月で3kgくらいです。

体重が増えない低グループの人は、それぞれマイナス0.2kg /週、0.29kg /週です。

4つのグループで、さらに14週前と後にわけて、体重増加と赤ちゃんの体重について調べました。

まず妊娠期間を通して、体重増加が低グループだった人は、小さな赤ちゃんを生むリスクは、ちょうどよい体重増加をした人とくらべて1.58倍でした。さらに体重増加が高度グループだった人は、大きな赤ちゃんを生むリスクは2.45倍でした。まぁ当然といえば当然ですね。

面白いのは、妊娠初期で体重増加が低グループだった人の51%は、妊娠中期以降は体重増加が改善し、ちょうどいい体重増加をした人と比べても、小さい赤ちゃんをうむリスクは増加しませんでした。

逆に、中期以降に体重が高度に増えた妊婦さんの場合は、初期に体重増加が低グループでも、大きな赤ちゃんの生まれるリスクが、ちょうどいい妊婦さんと比べて、2.46倍たかい、という結果でした。

つまり、妊娠初期の体重は生まれてくる赤ちゃんの体重にあまり関係なさそう、むしろ中期以降の体重増加が大切、という内容でした。

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