スマートフォンエコーを利用した遠隔妊婦健診実現への支援申請が却下されました。。泣 (日本財団)

その他

こんにちは。

今回はご報告です。

以前から理事長は遠隔妊婦健診の可能性について、このブログで発信してきました。

理事長のNPOでも、スマートフォンにアプリケーションをダウンロードするだけでエコーができるデバイスを利用した、遠隔妊婦健診の実現可能性について模索してきました。

以前ご紹介した胎児心拍陣痛図計(CTG)を利用した、遠隔妊婦健診の試みはすでに行われています。理事長たちは、自宅で自分でできるエコーを利用して、遠隔診察ができないかどうか、アプリケーションを開発する資金を探していました。

その資金を日本財団に申請していたのですが、みごと不採用でした。。泣

今回は、申請書の内容をこちらに載せようと思います。理由は、この申請書に書いてあることが理事長たちが目指すところだからです。

社会を変える活動支援

事業目的

事業目的1:本事業で対象とする社会課題を簡潔に記載ください。※受益者を明記してください。 

コロナウイルス 蔓延にともない、感染暴露機会を削減するために、遠隔医療の需要が高まっている。妊婦は特に重症化する速度が早いことが指摘されており、妊婦健診のために医療機関を受診することがリスクとなり得る。また従来より遠隔地方に居住する妊婦は、近隣に受診医療機関がないため、遠方にある医療機関受診のための移動による負担が大きい。

事業目的2:社会課題の背景(現状、歴史的・社会的・政治的観点、社会構造)について記述ください。 

日本において、医療機関で妊娠の診断が得られた場合、市町村発行の母子手帳と診療補助券をもらい妊婦健診が始まる。妊娠初期から妊娠22週頃まで、4週間に一回程度、22週以降は2週間に一回程度、医療機関(主に産婦人科)を受診し、妊婦健診が実施されることが一般的である。妊婦健診で行われる診療項目としては、妊娠初期に行われる採血、尿、超音波検査がある。妊娠中期以降(妊娠14週以降)は、主に血圧、尿検査、超音波検査が主要項目となる。妊娠後期(妊娠28週以降)になると、左記項目に加え、妊娠36週を過ぎた頃から、胎児心音陣痛図計検査が追加されることが多い。また妊娠36週以降は、1週間ごとに受診することが一般的である。現在の日本では、以上のような妊婦健診を分娩までに計14回程度受診することにより妊婦と胎児の状態を管理している。

昨今、コロナウイルス 感染の蔓延に伴い、感染暴露機会を減らす行動が社会で求められるようになり、多くの診療科で遠隔診療が取り入れられるようになっている。しかし産科領域においては、海外における遠隔診療での妊婦健診実施報告はあるものの、日本では一般的とは言えない。

原因として考えられるのは、今までは妊産婦感染の報告も少なく日本での重症例の報告もないことから、妊婦健診の間隔をあけることにより医療機関が対応していたためと思われる。また、超音波検査は従来は医療機関でのみ実施可能であり、妊婦が在宅でできる検査は血圧測定くらいしかないという現実があった。

しかし、今後コロナウイルス 感染者が増加するとすれば、公共交通機関を使用し医療機関を受診すること自体が感染リスクとなることは間違い無い。そのため、妊婦健診においても、医療機関を実際に受診するのは必要最低限にとどめ、病院受診の間隔が開いた期間に、在宅で妊婦および胎児の状態をモニターできることが求められている。

さらに、従来より遠隔地方に居住する妊婦は医療機関へのアクセスが困難な場合が少なくない。特に鹿児島、長崎などの離島を有する医療圏では、船舶で医療機関まで通うことが

事業目的4:社会課題が発生している原因(困窮点、不足等)を記述してください。 

コロナウイルス 蔓延による外出制限と、産婦人科医療機関の大都市集約化があげられる。

また、自宅での遠隔診療を可能にするために、持ち運び可能で、素人でも簡易に扱える超音波診断装置や胎児心拍陣痛図計などの医療機器が存在していなかったことも原因のひとつである。

事業目的5:社会課題が最終的に解決された状態(最終目的)とはどのような状態か記述ください。

妊婦健診において、多くの妊婦が、必要最低限の医療機関受診のみで、それ以外の妊婦健診に関しては、自宅にいながら受診できる状態。

事業目的6:社会課題を解決するにあたり、協働する関係者(ステークホルダー)を記述ください。 

妊婦、その家族、医療従事者(医師、看護師、助産師)、医療機関(周産期母子医療センター等)、市町村役場、保健管理センター。

事業目的1~6を総括し、本事業における事業目的を350字以内で記述ください。 

コロナウイルス 蔓延にともない、リスク因子をかかえる患者の感染暴露機会を削減するために、遠隔医療の需要が高まっている。妊婦は特に重症化するリスクが指摘されており、妊婦健診も遠隔で行われることが要求されている。また従来より遠隔地域(離島など)に住む妊婦が妊婦健診を受診するためにかかる負担の軽減が望まれていた。しかし、従来の妊婦健診では、妊婦は医療機関を受診して血圧測定、尿検査、血液検査、超音波検査等を受けなければならず、また分娩までの期間に妊婦健診を十四回程度受診しなければならない。本事業の目的は、妊婦の医療機関受診回数を減らすために、診療上重要な週数のみ医療機関で検査等を実施し、それ以外の期間はスマートフォンを用いた簡易超音波診断装置と血圧計測可能なスマートウオッチを使用する遠隔妊婦健診が可能であることを実証することである。

事業目標1:本事業によってもたらされる社会変化を記載ください(○○が○○に変わる) 

自宅における妊婦健診が可能となることにより、妊婦のコロナウイルス 暴露機会が減る。また鹿児島や長崎などの離島を含む遠隔地方に居住する妊婦は引き続きこの遠隔妊婦健診を使用することにより、移動による負担が軽減される。


事業目標2:事業完了時点における状態を記載ください。 ※設定した目標の成果測定方法・基準・指標(介入前から介入後でどのような変化をさせるか)を数値 をもとに示すこと。 

A) 分娩までの妊婦健診の回数が六回以下になる(診療録をもとにデータ抽出)。

B) 妊婦本人とその家族の満足度が80%以上(アンケート調査)。

C) 妊娠、分娩、産褥期の妊婦ならびに新生児における有害事象の発生率が、通常妊婦健診と比較して、上昇しない(診療録をもとにデータ抽出)。

事業目標1.2を総括し、本事業における事業目標を700字以内で記述してください。 

本事業における第一目標は、分娩までの妊婦健診受診回数の削減である。

A)分娩までの妊婦健診の回数が六回以下になる

精密な超音波診断が必要と思われる妊娠週数は、以下に示すとおりである。それ以外は、スマートフォン型簡易超音波診断装置を使用できると考えるため、医療機関を受診しての妊婦健診は合計六回以下になることを目標とする。

1)妊娠5−8週、超音波検査による子宮内妊娠の確認と予定日決定。感染症を含む初期検査(血液、尿、子宮がん健診等)実施。

2)妊娠12ー14週、超音波検査による胎児スクリーニング。

3)妊娠14ー22週、胎児奇形の有無、胎盤位置などの精密検査を要する。

4)妊娠30ー34週、妊娠血圧症候群ならびに、再度胎児奇形や子宮内発育遅延などがないか確認する。貧血等の血液検査ならびに尿検査が必要。

5)妊娠36−39週、胎位ならびに胎児状態を把握する。胎児心拍陣痛図計、貧血等の血液検査ならびに尿検査が必要。

6)妊娠40週以降、予定日超過になる場合は、分娩誘発などの選択肢を含めて検討が必要になる。胎位ならびに胎児状態を把握する。胎児心拍陣痛図計、貧血等の血液検査ならびに尿検査が必要。

B) 妊婦本人とその家族の満足度が80%以上(アンケート調査)。

多くの場合妊婦は小さな子供を抱えている場合が多く、自宅で健診することにより、家族への負担軽減効果も期待される。

C) 妊娠、分娩、産褥期の妊婦ならびに新生児における有害事象の発生率が、通常妊婦健診と比較して、上昇しない(診療録をもとにデータ抽出)。

有害事象は、血圧上昇、血糖値上昇、早産、破水、新生児仮死等を指し、これらの発生率が医療機関受診者と比較して上昇しないことを示す。

事業内容を350字以内で記述してください。また「場所・時期・対象者(参加者)・内容」について数値を 用いて定量的に記述してください。
※記入例を参考にしてください。
※予算書の事業番号と事業内容を連動させること。

1 アプリケーション開発

場所:東京

時期:2020年10月から12月

内容:スマートフォンを使用した超音波診断装置プローブに、遠隔診療のための通信機能を追加する。また血圧測定機能のついたスマートウオッチの情報をアプリにとりこみ、画像とともに医療者と遠隔共有できるようにする。

2 遠隔妊婦健診の実施

場所:鹿児島県および長崎県の離島を含む地域

時期:2020年12月から2021年12月まで

対象:当該地域に居住する妊婦(10人)とかかりつけ医療機関の医師、看護師、助産師(20人)

内容:通常妊婦健診と遠隔妊婦健診を併用する。遠隔妊婦検診において、血圧とスマ簡易超音波診断装置を自分で操作し得られた画像を、医療従事者と共有し、胎児状態を把握する。医療者が、遠隔診療をした結果通院を求めた場合は、すみやかに医療機関を受診する。分娩方法等は、かかりつけ医療機関の指示に従う。参加者は文書で説明を受け承諾したもののみ参加するものとする。途中脱落者になんら不利益がないように十分配慮する。

事業成果物と成果物の検証・公表方法(申請書の入力項目番号 59) 

本事業で制作する予定の事業成果物(報告書、整備した物品の写真など)の名前、概要および成果物のk 公表方法を350文字以内で記入してください。 

事業成果物:

スマートフォン簡易超音波装置に通信機能をつけたアプリケーションと使用説明書(文書とビデオ:どちらも当団体ホームページよりダウンロード可能な形式とする)

活動報告書および写真(当団体ホームページに掲載)

学会等での発表:当該医療機関の倫理委員会に諮問し、許可が得られた場合、データをまとめたうえで国内外関連学会発表ならびに、英文雑誌等への論文投稿を実施し、本事業結果を世界にむけて発信する。

いろんな財団等に申請しているのですが、まったく相手にされないのは、この考え方が間違っているからなのでしょうか。。。

今日はこのへんで。

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