本日紹介する絵本はこちら。
「たいせつなきみ」
マックス・ルケード
セルジオ・マルティネス 絵
ホーバード・豊子 訳
きぼりの小人ウイミックス。
小人たちは、みんなエリという彫刻家につくられました。
いろんな格好をしたウイミックスたちは、こびと村にすんでいます。
そして、この小人たちは、毎日なにをしているかというと、お互いにシールをくっつけあっていました。
きれいな木でできた、かわいくてきれいな小人たちには、きんぴかのお星様シール。
でこぼこの色あせた小人たちには、灰色のだめじるしシール。
朝から晩まで、お互いにこの二つのシールをくっつけあっていました。
みためがいいだけじゃなくて、いろんな特技のある、才能のあるウイミックスたちも、お星様シールを貼ってもらえた。高くつんだ箱を飛び越えたり、難しい言葉を知っていたり。
だけど、なんにもできない、ダメダメなウイミックスもいました。そんな小人の一人がパンチネロでした。
みんなと同じようにしたいけど、いつも失敗ばかり。
言い訳しようとして、また失敗。
いつの間にか身体中にダメじるしを貼られてしまいます。

「やつはダメじるしだけがおにあいだね」
木の小人たちはそう言ってからかった。
「あいつはダメなこびとだからな」
「たいせつなきみ」マックス・ルケード ホーバード・豊子 訳
パンチネロはいつもダメじるしをつけた仲間とつるんでました。
でもある日、お星様シールも、ダメじるしシールもついていないウイミックと出会います。
それがルチアでした。
不思議におもったパンチネロがルチアに尋ねます。
どうしてシールがつかないの、と。すると、ルチアは「そんなのかんたんよ」と言います。
「毎日、エリに会いにいくのよ」
エリは、ウイミックスたちを作った彫刻家のエリのことです。
パンチネロは一晩考えます。僕なんかに会ってくれるのかなぁ。。。。
翌日、勇気を出して、エリに会いにいくことにしました。
ダメじるしばかりで、エリに嫌われるかもしれないと思ったパンチネロ。
でもエリはパンチネロをやさしく抱き上げて言います。
ずいぶん たくさん つけられたね。
ほかのウイミックスが おまえのことを どう思おうと かまいはしないさ
お星さまやダメじるしをつけていったのは いったい だれだい?
みんなおまえと同じような ウイミックスじゃないか。
みんなが どう思うかなんて たいしたことじゃないんだ パンチネロ。
もんだいはね このわたしが どう思っているかということだよ。
そしてわたしは おまえのことを とても大切だと おもっている。
「たいせつなきみ」マックス・ルケード ホーバード・豊子 訳
自分のことを大切だ、なんて言われてもすぐには信じられないパンチネロ。
どうして、ルチアにはシールがつかなかったのかと尋ねます。
シールがくっつくように していたのは おまえじしんなんだよ。
どんなシールがもらえるかってことを 気にしていると シールのほうもおまえにくっついてくるんだ。
おまえがわたしの あいをしんじるなら シールなんてどうでもよくなるんだよ。
すぐには受け入れられないパンチネロでしたが、エリの部屋から帰る時、シールが一つ、ポロリと落ちていきました。
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この絵本はシリーズで現在6冊でています。
エリは創造主ってことで、神様が愛してくれる、ってお話です。
理事長自身は、べつにキリスト教徒ではないですが、とても心に残るお話です。
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